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Nのために ネタバレ 結末 原作 湊かなえ [Nのために ネタバレ 結末 原作 湊かなえ]

さすがに、湊かなえ×TBSだけあって
Nのために」がドラマもおもしろいよね。
原作を読んでみたんだけど、
久しぶりに一気読みしてしまうくらいのめり込めるストーリーだった。

ドラマでは榮倉奈々ちゃん演じる杉下希美が、
瀬戸内海の青景村という小さい島の高校生の頃から始まるよね。

何不自由なくこの幸せが永遠に続くかのような、
平和な島で平和に暮らしていたのに、
ある日突然、父親が豹変した。
「じゃ、解散!」
くらいの変わりようだったよね。
父親は、短命の家系だから後は好きなように生きたい!と言い出すのだ。

登場人物は、
ちょっとわかりやすいように、
ドラマから人物相関図を借りちゃったけど、

Nのために.png

結局のところ、
野口夫妻の死の真相は・・・?
そして、Nって誰?
っていうのが最大の謎だよね。

登場人物を見ると、イニシャルに「N」がつくのは、高野茂以外7人。
高野茂は原作には出てこないんだけど、
野バラ荘の大家さんはおいといても、
たった6人の中で、誤解や純愛が渦巻く物語なのだ。


以下、完全ネタバレ含むから見たくない人はここまででごめんなさい。


湊かなえ「Nのために」
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杉下希美が成瀬慎司(N)のために
杉下希美と成瀬慎司は高校の同級生。
どちらも家庭環境に悩みがあったが、将棋を通じて仲良くなった。
杉下希美は、父が愛人と住む家が火事になってしまえばいいのにといつも妄想していたが、
ある日、成瀬慎司の家が本当に火事で燃えてしまった。
燃えさかる実家の料亭の前で立ち尽くす成瀬慎司を見た杉下希美は、
成瀬慎司が火をつけたのではないかと思うとともに、
自分の妄想を現実化し解放してくれた成瀬慎司に感謝し、成瀬慎司のアリバイ証言をした。
成瀬慎司とは、罪の共有をするのだ。


杉下希美が西崎真人(N)のために
杉下希美は、台風の床下浸水をきっかけに、
同じ野バラ荘というアパートの住人、西崎真人と仲良くなった。
西崎真人は子供の時に虐待を受けていたためいまだに火を恐れている。
野口奈央子とは不倫関係にあるのだが、
奈央子が夫からDVを受けているのを知って、
自分の過去と重ねあわせどうしても救い出したいという西崎真人の計画に賛同。


杉下希美が安藤望(N)のために
西崎真人と同じく野バラ荘の住人で、台風の時から仲良くなった。
偶然にも安藤望は野口貴弘と同じ会社に就職し、
仕事で高みを目指す安藤望を杉下希美は心から応援する。
なので、西崎真人と秘かに計画していた野口奈央子救出作戦に関しては
安藤に迷惑をかけないため敢えて詳細を伝えていない。
ところが、野口貴弘から安藤望を僻地へ赴任させるという話しを聞き、
それを阻止するための行動にでるのだが、思わぬ展開になってしまう。


杉下希美と西崎真人は野バラ荘の大家さん(N)のために
野バラ荘に買収話が持ち上がっているのだが、
大家さんの野原さんはかたくなに拒んでいる。
そんな大家さんのために、同じビル売却を拒んでいるオーナーの息子、
野口貴弘に接触して一緒に土地売却に応じないように進める計画をたてる。


成瀬慎司は杉下希美(N)のために
成瀬慎司は実家の料亭が家事で燃えてから大学進学をあきらめていた。
その時、杉下希美から島でひとりしか受けることのできない奨学金申請書を渡されて
大学へ進学することができたのだ。
杉下希美によって島から連れ出してもらえた成瀬慎司は、
野口奈央子救出作戦に協力してほしいと頼まれ応じる。


安藤望は杉下希美(N)のために
杉下希美はバイトの清掃で、高層ビルのゴンドラに乗りたいと常々思っていた。
高い所から海の向こうの水平線を見たかったのだ。
だけど、体重が50㎏ないので許可されなかった。
ところが安藤望のはからいでとうとうゴンドラに乗ることを実現させたのだった。


西崎真人が野口奈央子(N)のために
野口奈央子は夫の貴弘からDVを受けていた。
そして、奈央子が不倫しているのでは?というウワサにより、
夫によって家のドアに外からチェーンをかけられ監禁状態にされていた。
西崎真人は自分の虐待経験もあって、どうしても奈央子を救い出したいと思い、
杉下希美と実行に移す計画を立てる。


事件の真相
野口夫妻の事件に関しては、西崎真人が実刑を受けている。
西崎の自供は、野口貴弘が妻の奈央子を刺したので、
自分が野口貴弘を燭台で殴り殺した・・というものだった。

しかし、事件の真相はこうだ。
野口奈央子は夫からDVを受けていたが、夫のことは愛していた。
・・と言うよりも夫がいないと生きていけないと思っていた。
ところが、将棋を通じて仲良くなった夫と杉下希美の関係を疑っていたのだ。

事件当日も夫と杉下希美は将棋をしていた。
だから、杉下希美に夫を取られるくらいなら、夫を殺して一生自分のものにしたいと思った。
野口貴弘を燭台で殴り殺したのは野口奈央子。
そして奈央子は自分で自分の腹を刺して自殺した。

実はこの日、野口貴弘と安藤望は賭けをしていた。
もし、野口貴弘が将棋に勝ったら安藤望を僻地に飛ばすというものだった。
そんなこととは知らず、
将棋の強い杉下希美は、野口貴弘のブレーンとして作戦を練っていた。
が、野口貴弘の口から安藤の左遷話しを聞いて杉下希美は焦った。
安藤望には高みに上る夢がある。どうしても僻地になど行かせられないのだ。
そこで、そんな賭けをやめさせるため、杉下希美は計画にない行動に出た。
今日、ここに妻奈央子の不倫相手が来る、とこっそり貴弘に告げ口をしたのだ。

西崎真人が花屋を装い来た時、野口貴弘に暴力をふるわせて
警察沙汰にし、安藤望の左遷話しも帳消しにするつもりであった。

ただし、ここでもうひとつ誤算があった。
安藤望は杉下希美が好きだった。
なのに、野口奈央子の救出作戦に関し自分には何も知らされていないことを
当日知って不服に思うのである。
ほんの出来心で、野口宅の玄関に外からチェーンをかけてしまう。
外からチェーンさえかかっていなければ、事件の後、杉下希美と西崎真人は
逃げることができたかもしれないのに・・・。


では、西崎真人は犯人ではないのになぜ自首したのか?
西崎真人は子どもの頃に母親から虐待を受けていた。
虐待されることでしか愛情を感じることができないゆがんだ愛情だった。
そんな、母親がタバコの不始末で火事になり炎に包まれるのを見た。
西崎真人は自分が逃げるだけで精一杯だったが、母親を見殺しにしたという罪にさいなまれている。
どこかでこの罪を償いたいと思っていたのだ。
同じように夫に暴力を受けることでゆがんだ愛情を持っている奈央子に同情したのもある。
だけど、西崎自信罪を償ってゆがんだ愛情から解放されたいと願ったのだ。


結末
西崎真人
10年の刑期を終えた。
野バラ荘の大家さんは西崎真人のために部屋をキープし続けてくれていた。

安藤望
杉下希美のおかげで僻地に飛ばされることもなく、
お子様ランチの旗に一番ありがちな国に転勤(出世)し、5年後に帰国した。

成瀬慎司
故郷の海の近くにレストランを開いた。

杉下希美
余命宣告を受け、海が見える白いお城のような病院に入院。
短命な家系だと言っていた父はいまだに健在である。


「Nのために」というNというのは最後まで特定されていない。
それぞれが、それぞれのNのためなのだ。

その時、誰もが自分の想うNのために一番傷つかない方法をとったという事実だけがある。
だけど、お互い誰のために何をしたのかは誰も知らない。
それぞれが自分の中に封印したままなのだ。

杉下希美と成瀬慎司の関係でも、シャーペン4回カチカチが、
成瀬は「ダイスキ」と思っていたかったのに対し、
杉下は、「タスケテ」だった。

安藤が杉下希美をゴンドラに乗せてあげた時も、
お互いを気遣うあまりにふたりの想いはすれ違ったままだった。

言葉にすると壊れてしまうかもしれないから・・。
誰もなにも詮索しなかったのだ。


余命半年と宣告された杉下希美の病名は明らかにされていない。
でも、命の期限を切られた今となっては、事件の真実が知りたい、知らせたい。
と願うのだ。

が、しかし、やっぱりそれだけは最後までどうしても言い出せなかった。
言葉にしなければ何も通じあえないのに、
なんて切ないすれ違いの純愛なんだ・・・。


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